2015年02月01日

契約に関する誤解

 銀行からの借り入れ、オフィスの賃貸借、事務機器のリース、従業員の雇用、仕入れ、販売など企業活動の様々な場面で、契約が締結されています。経営者に限らず、企業で働く方であれば、契約書を目にする機会はそれなりにあるのではないでしょうか。
 
 しかしながら、契約や契約書については、誤解があったり、基本的な知識が欠けているなど、後々トラブルになりかねない状況が多いのも事実です。
いくつか紹介したいと思います。


 まず、意外と多いのですが、契約書がなかったり、契約書に署名押印をしていなければ、契約は成立していないという誤解です。
 結論から言うと、契約は、申込みと承諾という意思表示が合致することで成立するため、契約書がなくても成立します。
(ただし、保証契約など、契約成立に書面が必要とされている契約もあるので注意が必要です)

 確かに、裁判になった時には、契約書の有無が、契約の成立や自分の主張する契約内容が認められるか否かに大きく影響します。そのため、契約書がなかったために、裁判で契約の成立や自分の主張する契約内容が認められないという結論に至ることはあります。

 しかし、それは、あくまで、契約書という証拠の有無が、裁判の結果に影響しかねないという立証の問題に過ぎず、契約書がなかったり、契約書に署名押印していなければ、契約は成立していないという話ではありません。
 実際、契約書がなくても、様々な証拠や事実から、契約の成立が認められることはあります。例えば、取引先とのやり取りのメールや打ち合わせの議事録、同席者の証言などの証拠から契約の成立が認められることもあります。

 また、そもそも、身近な例を見てみれば、スーパーでの買い物、DVDレンタル、飲食店での食事など普段の生活のほとんどの場面で、契約書を交わすことはありませんが、契約が成立していないと考える人はいないはずです。


 以上のとおり、契約書がなかったり、契約書に署名押印をしていなければ、契約は成立していないというのは誤解です。契約書を交わさなかったから契約は成立していないなどと思い違いをしないように注意して頂きたいと思います。
(もっとも、先ほどの説明のとおり、裁判においては契約書の存在が非常に重要な役割を果たします。これについてはまた後日説明したいと思います)

 次回も契約に関する話をしたいと思います。

  

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posted by bunya-shirato at 13:54| 契約