2015年02月11日

契約書と覚書

 契約書、覚書、合意書、念書、誓約書など、法律に関する文書には様々な表題のものがありますが、これらの文書は何が異なるのでしょうか?
  
 「覚書は契約書よりも効力が軽いものである」「覚書は契約ではない」
 ときどき、このような発言を聞くことがありますが、これも契約に関する誤解のひとつです。
  
 契約か否かは、文書の表題によって決まることではありません。
その内容が、当事者間の権利と義務を定めているものであれば、表題が覚書であっても、実質的に契約書であり、効力は契約書と同じです。
 覚書以外の、合意書、念書、誓約書などでも同様です。

 したがって、実務上注意すべきことは、その表題が契約書ではなく覚書などであっても、安易に署名捺印せずに、慎重を期すべきということです。覚書に過ぎないと言われても内容を十分に検討した上で署名捺印して欲しいと思います。

 ところで、中小零細企業間の取引においては、契約書を交わすことに難色を示されたり、あるいは、取引相手に対して契約書を提示することに抵抗を感じる場面がそれなりにあるのも事実です。
 私の経験で言えば、そのような場合、文書の表題を覚書や念書などにするだけ話がスムーズに進むことがあります。
 後のトラブルを予防するためには、口頭の契約は可能な限り避けるべきですので、契約書を交わすことに難色を示された場合などは、表題を覚書などにして、また、場合よっては、内容も必要不可欠な項目だけを定め、書面を交わした上で取引を開始すべきでしょう。あくまで私の経験に過ぎませんが、そこまですればほとんどのケースで書面を交わすことは可能だと思います。これは、「覚書は契約書よりも効力が軽い」という誤解あるいは印象をうまく利用した方法です。
 そして、仮に、そこまでしても、書面を交わすことに難色を示されるのであれば、取引はしない方が無難だとも言えます。

 今回は、文書の表題に関する話でした。


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posted by bunya-shirato at 22:00| 契約