2015年03月02日

契約書の雛形や書式の注意点・デメリット

 契約書を用意しなければならない場合、市販の契約書式集や、インターネット上からそれらしい契約書を見つけて来て、利用することもあるのではないでしょうか。
 今回は、契約書の書式・雛形を利用するときの注意点・デメリットに触れたいと思います。

@ 契約の実態に整合しない
 日々、契約書チェックの依頼を受けていますが、契約書案だけを送ってきて、とりあえず見て下さいという頼まれ方をすることがあります。しかし、実際にお話を伺い、どのような取引・ビジネスをしようとしているのか確認した上でないと、その契約書案が取引・ビジネスの実態に整合しているのか判断出来ず、チェックを進めることは出来ません。

 実際、お話を伺うと契約書案とは全く異なる取引・ビジネスをしようとしているケースは本当によくあります。販売店なのか代理店なのか、委任なのか請負なのか、簡単な契約類型でも間違った書式を使っていることは多いのです。

 仮に、専門家のチェックを経ることなく、間違った書式・雛形を利用していたとしたら、後のトラブルを防止することが出来ず、契約書を交わす意味がなかったということになりかねません。


A 当事者の一方に有利な内容
 書式集では、甲と乙のどちらか一方の立場に立って作成されている場合もよくあります。自らに有利か否か判断できるでしょうか?
 自らに不利な書式を用いて契約書案を作成していることも頻繁にある話ですので、注意して頂きたいと思います。

 特に、書式集を利用するのではなく、インターネット上で見つけた、何となく使えそうな契約書をアレンジした場合は要注意です。書式集を注意深く読めば、どちらが有利な書式か説明されていることもありますが、インターネット上で拾ってきた契約書にはそのようなことは書かれていません。


B 追加すべき条項が分からない
 書式集は、あくまでも書式集ですから、自らが行う取引・ビジネスに特有な問題を解決出来る条項は記載されていません。
 しかし、実際の取引・ビジネスは、様々であり、契約書式と全く同じ取引・ビジネスはないと言っても過言ではなく、契約書を作成する以上は、それらの特有の問題を意識して追加・修正をする必要があります。

 ところで、書式集に記載されている条項が不要であったり問題がある場合に、それを削除したり修正することは、ある程度の法的素養がある方であれば気付くことが可能かもしれません。しかし、記載されていない条項を追加すべきという判断は、一般の方ではなかなか出来ないように思います。

 以前、ある公認会計士の方と話した時、契約書案に記載されていることの問題点には気付くが、追加すべき条項が何かを判断するのは難しいとの話を聞きました。公認会計士の方でも、そのようなことがありますので、ましてや、一般の方であれば、気付かないことが通常ではないでしょうか。


C 内容に問題がある
 古い書式集やインターネット上で拾ってきた契約書には、法令の改正や判例の変更に追い付いていないものも散見されます。
 法律の世界は動きが遅いという印象を持たれている方も多いと思いますが、実際は、法改正や判例変更は頻繁に行われており、それが契約実務にも影響しているのです。


 以上の通り、契約書式を利用する場合には注意すべき点やデメリットがありますので、その点を十分に知ったうえで利用して頂きたいと思います。



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posted by bunya-shirato at 18:47| 契約